9月のコーヒー教室
今月は第71回、20日夜の教室に5名2組の参加があり、午後7時から開催されました。
日の暮れが早いですから、あたりはもうすっかり真っ暗、久しぶりに灯した外灯・駐車場灯がヤマボウシやシマトネリコの木々を照らして、エムズが綺麗に浮き上がった夜の景色でした。
手前のカウンターにいろいろと道具が並んでいます。生徒さんは何が始まるか興味津々のようです。
このブログをずっと読んでこられた方や既に受講された方はお解りですね。
これまでのブログでは写真のみの紹介が殆どでしたが、引っ越ししたこともあり、今日は少し詳しく説明を加えましょうか。
一通りのコーヒーのお話の後は2種類のドリッパーを使った淹れ方で味の違いが出ることを体験していただくために、先ずは生徒さんに3つ穴(台形)ドリッパーで、大ポット8杯分を淹れていただきます。
どちらもMs’ブレンドの粉を同量・湯音も90℃です。
同時に、講師は店使用の一つ穴(円錐形)ドリッパーで大ポット8杯分を淹れます。どちらもお湯はヤカンから注いでますね。遅れて注ぎ始めましたが、一つ穴はすぐに追いつきました。
両方を交互に見比べながらも、皆さんの口から驚きの声が上がったのは、両方のドリッパーとも、泡立ちの盛り上がりの凄さでした!焙煎が新しい豆はこんなに高く高く泡が膨れるんだと驚いておられました。
それから、この二つを皆さんに飲み比べてもらいます。感想はいろいろ。違いははっきり感じられたようでした。
次にもう一回大ポットで一つ穴ドリッパーを使って講師が淹れます。
何がさっきと違うのでしょうか?
蒸らしは同じです。これはどんな淹れ方にせよ、最も大切な味の決め手となる第一歩なんです。
さて、粉が充分湿った後で、講師はヤカンを持ち上げ、一度も止まることなく一気にお湯を注ぎ続けたのです。
これのお味は?
今までのと違って当たり前ですが・・・・?
感想はさまざまでしたが、「あっさり飲みやすい感じ」というのが共通していましたかね。
3種類の出来上がったコーヒーの物理的な違いは何でしょう。
一つはろ紙の中の粉がお湯に浸かっている時間の違いなんですね。
①三つ穴は、下の穴からポトリポトリとゆっくり抽出液がガラスポットに落ちていきました。
②一つ穴は、三つ穴3つ分を合わせたよりも穴が大きいので、お湯が粉の中を速く降りて、抽出液がさっと落ちました。
③一つ穴一気注ぎは、3回に分けて注いだよりも、ドウドウと抽出液が下に落ち続けました。粉の中に留まっているお湯はいつも入れ替わっていたわけです。
二つ目は、その時間差の結果、出来上がったコーヒーの温度も違ったということです。
これらの違いから、①はコッテリした苦めの味、(雑味も出ます)③はすっきりした飲みやすい味、(②より多少苦みが強く感じられるかも)
②がエムズの標準の淹れ方なのですが、これが正解のドリップ方法というのではありません。
店でどのお客様にも、いつも同じ味でお出しするための基本の淹れ方です。
生徒さんやお客様は、家では一番自分の好みの味になる淹れ方をすると良いのです。
そのために、さっきの実験的ドリップをしたのです。
自分は3つのうち、どれが好きかな?と考えていただき、自分の好みを知る第一歩です。
とは言え、お家では、粉の分量も大雑把、できちんとグラム数まで量ったりしないし、お湯の温度なんていい加減という方の方が普通ではないでしょうか。
淹れる度に味が違うのはそのせいです。
ですから、先ずは基本をしっかり身に着けていただいて、それから自分好みの味に近づける工夫を重ねてほしいのです。
講師の手本実技のあと、皆さんにお一人ずつSポットSドリッパーで2杯分のMs'ブレンドを点てる実技演習をしていただきます。(1杯点てはプロでも難しい技術ですから2杯点てで)。
注ぐのはヤカンでなく、ステンレスの専用細口ポットを使います。ヤカンではお湯が一度に出過ぎるので、少量の抽出用に使ってはダメなのです。
皆さんがドリップされたポットを分け合って、飲み比べながら、ケーキタイムです。
また、最初に淹れた大ポットの3種類のコーヒーを、再び飲み比べていただきました。
既に醒めかけたコーヒーの味は、淹れたての時と変化してきていることを確認していただきました。
どれでも、冷えてくると、苦みは減り酸味は増すという傾向があるのです。
これは、おまけのドリップ。
7月にも行いましたが、アイスコーヒーの淹れ方テクニックを講師がお見せしました。
そして、恒例のハイテク焙煎機の見学で、本日の教室は終了しました。
いかがでしたか?
教室は1回完結です。あとは受講者はお家で何度も基本練習を繰り返しながら、自分の好みの味のコーヒーを淹れる工夫を重ねて下されば、必ず自分が「美味しい!」と思えるドリップ法を見つけられますよ。
基本的にはどの銘柄でも一人分の粉は10グラムですが、2,3,4・・・8杯分と増えても、粉は10×人数ではありません。減らしていかないと、濃すぎて苦すぎて飲めない味になりますよ。
注ぐお湯の量はガラスポットの最後の目盛り線を超えないように、ろ紙の中にまだお湯が沢山溜っていても、ろ紙の粉ごと捨てます。
それから、最初の蒸らしは重要です。その後は3回にしなくてもいいので実験を重ねてみたらいいです。
また、お湯の温度は90℃以下でも良いのです。(沸騰直後の湯はいけません。)店での提供のために統一していますが、85℃くらい~で自分好みの味になる湯温度を発見して下さい。
面倒でなかったら、温度計や正確なキッチン量りを使用されるとよいでしょう。
日の暮れが早いですから、あたりはもうすっかり真っ暗、久しぶりに灯した外灯・駐車場灯がヤマボウシやシマトネリコの木々を照らして、エムズが綺麗に浮き上がった夜の景色でした。
このブログをずっと読んでこられた方や既に受講された方はお解りですね。
これまでのブログでは写真のみの紹介が殆どでしたが、引っ越ししたこともあり、今日は少し詳しく説明を加えましょうか。
一通りのコーヒーのお話の後は2種類のドリッパーを使った淹れ方で味の違いが出ることを体験していただくために、先ずは生徒さんに3つ穴(台形)ドリッパーで、大ポット8杯分を淹れていただきます。
どちらもMs’ブレンドの粉を同量・湯音も90℃です。
同時に、講師は店使用の一つ穴(円錐形)ドリッパーで大ポット8杯分を淹れます。どちらもお湯はヤカンから注いでますね。遅れて注ぎ始めましたが、一つ穴はすぐに追いつきました。
両方を交互に見比べながらも、皆さんの口から驚きの声が上がったのは、両方のドリッパーとも、泡立ちの盛り上がりの凄さでした!焙煎が新しい豆はこんなに高く高く泡が膨れるんだと驚いておられました。
それから、この二つを皆さんに飲み比べてもらいます。感想はいろいろ。違いははっきり感じられたようでした。
次にもう一回大ポットで一つ穴ドリッパーを使って講師が淹れます。
何がさっきと違うのでしょうか?
蒸らしは同じです。これはどんな淹れ方にせよ、最も大切な味の決め手となる第一歩なんです。
さて、粉が充分湿った後で、講師はヤカンを持ち上げ、一度も止まることなく一気にお湯を注ぎ続けたのです。
これのお味は?
今までのと違って当たり前ですが・・・・?
感想はさまざまでしたが、「あっさり飲みやすい感じ」というのが共通していましたかね。
3種類の出来上がったコーヒーの物理的な違いは何でしょう。
一つはろ紙の中の粉がお湯に浸かっている時間の違いなんですね。
①三つ穴は、下の穴からポトリポトリとゆっくり抽出液がガラスポットに落ちていきました。
②一つ穴は、三つ穴3つ分を合わせたよりも穴が大きいので、お湯が粉の中を速く降りて、抽出液がさっと落ちました。
③一つ穴一気注ぎは、3回に分けて注いだよりも、ドウドウと抽出液が下に落ち続けました。粉の中に留まっているお湯はいつも入れ替わっていたわけです。
二つ目は、その時間差の結果、出来上がったコーヒーの温度も違ったということです。
これらの違いから、①はコッテリした苦めの味、(雑味も出ます)③はすっきりした飲みやすい味、(②より多少苦みが強く感じられるかも)
②がエムズの標準の淹れ方なのですが、これが正解のドリップ方法というのではありません。
店でどのお客様にも、いつも同じ味でお出しするための基本の淹れ方です。
生徒さんやお客様は、家では一番自分の好みの味になる淹れ方をすると良いのです。
そのために、さっきの実験的ドリップをしたのです。
自分は3つのうち、どれが好きかな?と考えていただき、自分の好みを知る第一歩です。
とは言え、お家では、粉の分量も大雑把、できちんとグラム数まで量ったりしないし、お湯の温度なんていい加減という方の方が普通ではないでしょうか。
淹れる度に味が違うのはそのせいです。
ですから、先ずは基本をしっかり身に着けていただいて、それから自分好みの味に近づける工夫を重ねてほしいのです。
講師の手本実技のあと、皆さんにお一人ずつSポットSドリッパーで2杯分のMs'ブレンドを点てる実技演習をしていただきます。(1杯点てはプロでも難しい技術ですから2杯点てで)。
注ぐのはヤカンでなく、ステンレスの専用細口ポットを使います。ヤカンではお湯が一度に出過ぎるので、少量の抽出用に使ってはダメなのです。
皆さんがドリップされたポットを分け合って、飲み比べながら、ケーキタイムです。
また、最初に淹れた大ポットの3種類のコーヒーを、再び飲み比べていただきました。
既に醒めかけたコーヒーの味は、淹れたての時と変化してきていることを確認していただきました。
どれでも、冷えてくると、苦みは減り酸味は増すという傾向があるのです。
7月にも行いましたが、アイスコーヒーの淹れ方テクニックを講師がお見せしました。
そして、恒例のハイテク焙煎機の見学で、本日の教室は終了しました。
いかがでしたか?
教室は1回完結です。あとは受講者はお家で何度も基本練習を繰り返しながら、自分の好みの味のコーヒーを淹れる工夫を重ねて下されば、必ず自分が「美味しい!」と思えるドリップ法を見つけられますよ。
基本的にはどの銘柄でも一人分の粉は10グラムですが、2,3,4・・・8杯分と増えても、粉は10×人数ではありません。減らしていかないと、濃すぎて苦すぎて飲めない味になりますよ。
注ぐお湯の量はガラスポットの最後の目盛り線を超えないように、ろ紙の中にまだお湯が沢山溜っていても、ろ紙の粉ごと捨てます。
それから、最初の蒸らしは重要です。その後は3回にしなくてもいいので実験を重ねてみたらいいです。
また、お湯の温度は90℃以下でも良いのです。(沸騰直後の湯はいけません。)店での提供のために統一していますが、85℃くらい~で自分好みの味になる湯温度を発見して下さい。
面倒でなかったら、温度計や正確なキッチン量りを使用されるとよいでしょう。
by hmusik5y
| 2013-09-23 00:18
| コーヒー教室
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